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2005.01.18

失敗の心理学 ミスをしない人間はいない

著者:芳賀 茂(はが・しげる) 立教大学文学部心理学科教授
発行元:日本経済新聞社 日経ビジネス文庫
発行日:2004年10月1日 第1刷発行 667円+税

本書は2001年12月に飛鳥新社より刊行された『ミスをしない人間はいない-ヒューマン・エラーの研究』が文庫化されたものである。
ミスを犯すのは人間であることから、心理学者のこのような著作はとても参考になります。
製造現場を預かる管理監督者は一般に理系出身者で、ミス防止のためにハード面、つまり設備の自動化とかの側面に偏った見方をし勝ちだと思いますが、ミス防止のためには、この本で述べられているように、ハード面だけでなく、人間の心理や能力そのものを広く見つめた考え方が重要だと思います。
現場を預かる管理監督者に勧めたい一冊です。
第一部
第1章 うっかりミスはなぜ起きる
第2章 錯覚と勘違い
第3章 違反とリスク行動
第二部
第4章 台所から学ぶミス防止学
第5章 鉄道から学ぶ事故防止法
第6章 ミスとのつきあい方

著者の前歴には 国鉄労働科学研究所、JR総合技術研究所 がありますが、私が現役時代の安全の講演会で、「国鉄が大量に心理学者を採用してミス防止の研究をしていた」との話を聞いたことがあり、国鉄(JR)のミス防止対策が総合的に考えられていることがよく分かりました。
以下は続きを読むを参照ください。

本書の副題にもあるように「ミスをしない人間はいない」との前提で人間を率直に理解してミス対策を考えることの重要性を分からせてくれる本です。
以下は、私が本書から得た教訓です。

人はミスをするものだ、ということを前提においてあらゆるミスの可能性に目を向けて対策をとることが重要です。

「産業現場では装置や作業手順に様々なミス防止の工夫が凝らされているのですが、長い間に、なぜこのようなやり方にしなくてはいけないのか、分からなくなっていることもあります。そんなとき、効率化を求めて「改善」が行われ、事故を招く例が多いのです」と書かれていますが、「変更管理」のしくみをきちんと定め、頑なに変更時のチェック(「改善」の反作用のチェック)を徹底することが重要です。

「失敗を他人や運や外的状況に帰属させる人は、失敗から学ぶことが少なく、失敗を繰り返します」と書かれていますが同感です。事実に対して謙虚であることがとても重要だと思います。

最後に書かれている以下の意見は全く同感で、これに管理責任を持つ者はこだわらなければならないと、改めて自戒を込めて決意した次第です。
「ミスには寛容に、違反には厳格に対処する必要性を強調しました。『ミスに厳しく違反に甘い』という日本社会の傾向を改め、ルールを守る、違反を許さないという社会的風土を育てたいものです。意図しないでミスを犯してしまった人を許す代わり、徹底的に事実を調べ、再発予防対策に役立てるべきです。これが、ミスとの正しいつきあい方だと思います。」

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